~片岡愛之助さん、藤間勘十郎さんご登壇!~長崎スタジアムシティ 歌舞伎舞踊特別公演 記者会見を実施
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2025年5月26日(月)スタジアムシティホテル長崎14階「THE CLUB NAGASAKI」にて、報道関係者の皆様に向けて、「長崎スタジアムシティ 歌舞伎舞踊特別公演 記者会見」を実施いたしました。本会見では、歌舞伎俳優 片岡愛之助さん、振付・日本舞踊家 藤間勘十郎さんにご登壇いただき、公演の見どころや意気込みなどをお話しいただきました。

■主催者代表挨拶(株式会社リージョナルクリエーション長崎 代表取締役社長 岩下英樹)

長崎スタジアムシティは、開業して約半年が経過しました。これまでハピネスアリーナでは、スポーツや音楽を中心にたくさんのイベントを開催してきましたが、日本の文化や伝統芸能に関するイベントも開催したいとずっと考えていました。
関係各所の皆様に多大なご協力をいただき、豪華な出演者を迎えて2日間の特別公演として開催する運びとなりました。
長崎では伝統的な芸能を見る機会があまりない中、長崎スタジアムシティで開催できることを非常に嬉しく思います。
歌舞伎を好きな方のみならず、人生の中で歌舞伎にふれたことがない方も含めて、ご体験いただけたら嬉しいです。
子どもたちも含めて、なるべくたくさんの方に楽しんでいただきたいという想いから、長崎の子どもたちを招待する企画の準備を進めています。ぜひ多くの方に、長崎スタジアムシティ 歌舞伎舞踊特別公演をお楽しみいただけたら嬉しいです。
■特別公演演目説明(藤間勘十郎さんより)

<演目>
正札附根元草摺(しょうふだつき こんげん くさずり)
曽我五郎時致 尾上 右 近
小林妹舞鶴 中村 壱太郎
富士山の背景に梅の吊り枝という華やかな舞台面と、荒事の五郎(尾上右近)、女方の舞鶴(中村壱太郎)という対称的な役柄が様式美を盛り上げます。工藤祐経を父の敵と狙う曽我五郎が鎧を手に駈け出そうとするのを、舞鶴が草摺に手を掛けて止めます。互いに草摺を引き合う荒事の勇ましさを見せますが、「とめてとまらぬな……」から今度は二人の軽妙な踊りになり、力強い荒事から、廓遊びの様子に一転する洒落っ気が見どころです。再び力比べになり、錦絵のような見得で幕となります。荒事の勇壮な演技と当時の流行唄を取り入れた洒落た構成に面白さがあります。
見どころ:江戸時代には曽我狂言が流行り、今でもお正月を中心におめでたい作品として上演されています。この作品は引き合いものという歌舞伎によくある演出で、今回は曽我五郎を勤める尾上右近さんと舞鶴を勤める中村壱太郎さんが鎧の草摺を引っ張り合います。静と動も見どころで、力強い右近さんの静と、女方の壱太郎さんの動きの対比をお楽しみいただけます。二人もとても楽しみにされています。
蜘蛛絲梓弦(くものいとあずさのゆみはり)
小姓寛丸/太鼓持愛平/座頭松市/傾城薄雲太夫/蜘蛛の精 片岡 愛之助
碓井貞光 尾上 右 近
坂田金時 中村 種之助
源頼光 中村 壱太郎
源氏の大将、源頼光(中村壱太郎)は物の怪に憑かれて伏せっていました。家臣の碓井貞光(尾上右近)と坂田金時(中村種之助)は寝ずの番をしていましたが、睡魔に襲われた時に小姓寛丸(片岡愛之助)が茶を持って現れ、その不審な動きに二人が斬り払おうとすると、忽然と姿を消しました。その後、太鼓持の愛平、座頭松市(ともに片岡愛之助)が現れるものの、捕えようとすると消えてしまいます。葛城山の土蜘の仕業ではないかと二人は憶測します。さらに頼光の寝所に傾城薄雲太夫(片岡愛之助)が訪ねてきますが、突然、その本性を現わして頼光に襲いかかろうとします。そして頼光が宝剣の蜘蛛切丸の威徳を退散してしまった蜘蛛の精を追い、その棲家へと向かいます……。
『蜘蛛絲梓弦』は古くから伝わる源頼光の土蜘退治の説話を元に描かれた作品で、明和2年(1965)に江戸市村座で初演されました。早替りの趣向で5つの役を踊り分ける人気の高い変化舞踊です。
見どころ:一人の演者が次々に姿を変える変化舞踊で、特にスペクタクルに富んだ作品です。色々なやり方がありますが、永楽館の公演(平成21年11月)の際に愛之助さんと構成を相談しながら創り、その後、名古屋の顔見世や歌舞伎座、京都南座など大きさも構造も異なる劇場で上演してきました。今回はなんといっても初めて“アリーナ”でやるということで、ここでしか見られないまさに“特別公演”に相応しいものになるのではないかと今から楽しみにしています。
■本公演 見どころ(片岡愛之助さんより)

私自身、初めて長崎で歌舞伎をさせていただきますので、とても楽しみです。昨日大阪で千穐楽を迎えたばかりで先ほど長崎に着いたのですが、長崎スタジアムシティをみて、壮大なスタジアムを目の前に「テレビでみたやつだ…!」と思い、高揚しました。
『蜘蛛絲梓弦』では小姓、太鼓持、座頭、傾城、そして蜘蛛の精という五役を早替りで勤めます。さまざまな役柄ですが、実はすべて蜘蛛が化けているので、ふとしたところに蜘蛛の悪い顔が見える、そんなところも見逃さないでいただければなと思います。舞踊は馴染みがなくて難しいという方もいらっしゃいますが、決してそんなことはございません。長唄や常磐津の方が歌っていることをよく聴いていただくと、その内容と同じ意味の振りを表現していますし、ストーリーも複雑ではございませんので、初めての方でもわかりやすく、楽しめるようにできています。ちなみに私は、冒頭の「ご挨拶」では素顔で登場いたします。
二日間の公演ですが、長崎スタジアムシティでしか見られない、“特別な”公演を皆さんと一緒に創りたいと思います。私も歌舞伎には子役で出ていましたが、それこそ5,6歳の頃に初めて歌舞伎を見て以来、今までずっと歌舞伎好きです。ぜひお子様とご一緒に足をお運びいただければと思います。きっと楽しいことがございます。地元の方々に見ていただいて、歌舞伎という伝統文化が長崎に根付いていく第一歩とさせていただけると嬉しいです。
■会見後、表敬訪問も行いました
会見終了後、長崎県 大石知事、長崎市 鈴木市長へ表敬訪問を行いました。
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